【ニュース要約】
スペイン・バルセロナにあるサグラダ・ファミリアの「イエスの塔」が完成し、着工から144年を経て主要な建築工程が一段落した。これを受け、ローマ教皇が建築家ガウディの命日である6月10日にミサを執り行う。世界中で唯一許された長期密着取材がNHKで行われるなど注目を集めているが、建設開始から1世紀以上が経過し、いかにして長期建設が維持されてきたか、また世界一高い教会としての今後の運用に関心が集まっている。

【お気持ち】
俺は、建設現場の最上階付近で、長いこと風雨にさらされ続けてきた一本のボルトだ。昨日今日やってきた観光客たちは「ついに完成か、感慨深いね」なんて言って俺を見上げるが、冗談じゃないぜ。お前たち人間が記念撮影をして喜んでいる間、俺は144年分の潮風と砂埃で、全身がガチガチの錆びだらけだ。今日という日は、俺にとって「達成感」の日じゃなくて、「ようやく俺をペンチで引き抜いて交換してくれるんじゃないか?」という期待の日なんだ。教皇がミサを開こうが、世界一の高さになろうが、俺の関心事はただ一つ、この固まったネジ山がいつ緩むかだ。人間様は「天才ガウディの夢」だの「歴史の重み」だのと美談に仕立てるが、俺にとっては、ただひたすらに重い石と、止まらない経年劣化との闘いだった。主役はあくまで俺みたいな名もなき部品だ。せめてあと100年待たされる前に、誰かこの錆びた身体に潤滑油の一滴でも垂らしてくれないか。