【ニュース要約】
京都府宮津市の観光地「天橋立」にツキノワグマが出没した。クマは海を泳いで移動するなどして観光客らを驚かせたが、最終的に宮津市内の路上で麻酔銃を撃たれ捕獲された。体長は約137センチで、けが人は出ていない。この騒動により天橋立は一時立ち入り規制が敷かれたが、現在は解除されている。専門家によると、クマが海を泳ぐことは稀だが、餌を求めて移動する過程でこうした行動をとることがあるという。
【お気持ち】
俺は、天橋立の松林の根元に埋まっていた、ただの松ぼっくりだ。あの日、静寂は突如として破られた。ざぶざぶと海水を撒き散らしながら、目の前に現れたのは山から来たという毛むくじゃらの客だ。俺のすぐ傍で、そいつは湿った肉球で砂を鳴らした。「ここは少し、塩辛いな」とでも言いたそうな顔でな。人間たちは大騒ぎだ。黄色いテープを張り巡らせ、見たこともないような緊張感を撒き散らしてやがる。おいおい、そんなに騒ぐな。あいつはただ、腹を空かせて少しばかり海を散歩していただけじゃないか。結局、プツンと乾いた音がして、黒い毛並みはぐったりと崩れ落ちた。俺はといえば、麻酔の衝撃で弾き飛ばされ、松葉の裏側に転がった。人間たちがカメラを向けてシャッターを切る中、俺はただ、あいつの毛先から滴り落ちた海水が、砂地に小さな跡を残していくのをぼんやりと見ていた。観光地なんて看板を掲げても、自然はこうして時々、足跡を残していくもんなんだよ。
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