【ニュース要約】
オランダを公式訪問中の天皇皇后両陛下は、16日(現地時間)に滞在先の「ヘット・ロー宮殿」で、オランダ国王夫妻と共にサッカー・ワールドカップの試合をテレビ観戦された。日本代表の劇的な同点弾が決まった際には、両陛下からも「うれしかった」という感想が寄せられ、国王夫妻と非常に良い試合であったと語り合うなど、スポーツを通じた親睦を深められた。

【お気持ち】
私は、あの格式高いヘット・ロー宮殿の客室窓にかかる、厚手のカーテンだ。普段は歴史的調度品の一部として、ただ静かに光を遮るのが仕事。今日も陛下たちが国王夫妻と談笑される中、私は粛々と窓辺で職務を全うしていた。

しかし、部屋の空気が一変したのは、テレビの中で始まったサッカーの試合だ。静寂なはずの王宮で、突如として歓声や拍手が爆発した。日本の選手が同点弾を叩き込んだ瞬間、陛下が椅子から乗り出し、国王も興奮した様子を見せる。その熱気たるや、私の繊維が震えるほどだった。普段は外交儀礼という極めて重苦しい重圧に耐えている私だが、この時ばかりは緊張から解放され、カーテンの隙間から差し込む光と一緒に、胸が躍るような高揚感を味わった。歴史の証人? そんな大げさなものじゃない。ただ、王室の威厳よりも、ボールを追う人々の情熱のほうが、ずっと熱かったということさ。