【ニュース要約】
京都の世界遺産、下鴨神社の糺の森で、樹齢約450年のご神木であるシイの木が倒れているのが発見された。高さ約30メートルに及ぶ大木で、前日まで外見上の異変は見当たらなかったという。倒木によるけが人は確認されておらず、老朽化が原因と見られている。

【お気持ち】
私は、糺の森で450年もの間、人々の祈りや、季節の移ろい、そして誰にも言えない秘密話を根元で聞き続けてきたシイの木だ。昨夜、ふと腰(幹と言うべきか)に違和感を覚えたかと思えば、次の瞬間には重力に負けてゆっくりと、それはもう盛大に倒れ込んだ。派手な音だったろう?人間たちは「異変なし」なんて言っていたが、私だってそろそろ限界だったのさ。長年、地中に深く根を張り、神社という聖域の守護者として直立不動を貫いてきたんだ。正直、倒れた衝撃よりも、地面に横たわって初めて見る「空の近さ」に驚いているよ。いつもは見上げることしかできなかった雲が、こんなにも低い場所を流れていたなんてね。騒ぎを聞きつけた人間たちが周りで右往左往しているが、私はもう、土の香りを間近で楽しむ余生(あるいは永眠)の準備に入っている。まあ、ご神木という肩書きは重かったから、たまにはこうして横になって休憩させてもらうとするよ。