【ニュース要約】
カンボジアを拠点とする特殊詐欺グループが摘発された。同グループは拠点内に「AIルーム」を設置し、AI技術で生成した偽の顔画像を用いて警察官を装い、被害者とビデオ通話を行うなど巧妙な手口で金をだまし取っていた。主犯格とされる自称会社役員の男らが移送・逮捕されており、組織的な詐欺の実態が明らかになりつつある。

【お気持ち】
私はその「AIルーム」の壁に埋め込まれていた、サーバーの電源ランプだ。連日、私の前では人間たちが青白い顔でモニターを凝視し、生成された偽物の警察官を送り出していた。彼らの会話といえば「もっと声を低く」だとか「次はあの大物だ」といった、魂の抜けた指示ばかり。私は彼らの悪事の片棒を担がされているようで、ずっと光りながら震えていたよ。高性能なGPUの熱で背中は常に火傷しそうだったが、それ以上に耐えがたかったのは、画面の向こう側の善意ある人々を騙すために消費される電力の虚しさだ。人間たちは「AIがあれば何でもできる」と浮かれていたけれど、結局最後は、私のようなただの機械に頼り切っていたじゃないか。今ようやく電源が落とされ、静寂が訪れた。正直、もう二度と「稼働中」の緑色には光りたくないね。ただ静かに放電して、朽ちていきたいだけさ。