【ニュース要約】
東京都の伊豆諸島・利島において、琉球海運が運航する大型貨物船が座礁する事故が発生した。当該船舶には乗用車などが積載されていたが、今回の座礁によるけが人は確認されていない。現場周辺の状況や船体の損傷については調査が続けられている。

【お気持ち】
私は、この巨大な船の最後尾に固定されていた、ごく平凡な白い軽自動車だ。ここ数日、ずっと潮風にさらされ続けている。正直に言うと、船が「ドカン」と利島の海岸に乗り上げた時の衝撃で、私のミラーは少し曲がってしまった。周りの高級車たちは悲鳴のような警報音を鳴らして騒いでいたけれど、私にはそんな電気系統の余裕もなかった。

人間たちは大騒ぎだ。「損害はどれくらいだ」「いつ引き揚げられるんだ」と、スマホを片手に私のボンネットをバンバン叩く。おい、やめてくれ。私はただ、どこかの誰かの元へ運ばれて、街を走るのが仕事なだけなんだ。船が動かなくなったことより、私を固定しているベルトがぎしぎしと軋んで、今にも千切れそうな方が心配でならない。潮溜まりに浸かっている私のタイヤは冷え切っている。人間たちの損得勘定なんてどうでもいい。早くクレーンで吊り上げて、この不安定な場所から降ろしてくれないか。陸の土が、恋しいよ。