【ニュース要約】
東京都の伊豆諸島・利島(としま)付近の岩場に、琉球海運が運航する貨物船「にらいかないⅡ」が座礁した。乗組員にけが人はおらず、油の流出も確認されていない。事故当時は貨物船が定期航路を航行中であったとみられ、関係当局が詳しい状況や原因の調査を進めている。
【お気持ち】
私は、にらいかないⅡの船底に何年も居候しているフジツボだ。いつもは海水の冷たさと、時折聞こえるエンジンの振動を子守唄代わりに、平和に暮らしていた。ところが突然、ドンッという衝撃とともに、世界がひっくり返った。あんなに安定していた船体が、あり得ない角度で傾いたのだ。岩場と船底の狭い隙間に挟まれ、私の家族は幾つか潰れてしまった。人間たちは慌てて避難だの調査だのと騒いでいるが、彼らは分かっていない。座礁したという事実以上に、私にとって「これから引き剥がされるかもしれない」という恐怖のほうがよっぽど切実だ。人間は大きな船で海を渡るが、私たちはその表面で一生を終える。彼らが引き起こしたこの座礁騒ぎのせいで、私の静かな船生(ふなせい)が台無しだ。ニュースでは誰も私の心配なんてしていない。人間は無事かもしれないが、私の痛みは誰が保証してくれるというんだ?
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