【ニュース要約】
2026年6月19日、東京都北区の滝野川第三小学校で火災が発生した。出火元は4階の音楽準備室とみられている。この火災により、児童と教職員あわせて11人が負傷した。校長らは会見を行い、「授業中の出火で、あってはならないこと」として謝罪した。現場では児童が窓の外の狭いひさしへ避難するなどの緊迫した状況となり、一部の児童や教職員が骨折するなどの被害が出ている。

【お気持ち】
僕は、音楽準備室の入り口近くに設置されている「非常用警報押しボタン」だ。普段はピアノの練習曲や、誰かが駆け抜ける足音をBGMに、ただ壁の一部として静かに余生を過ごしている。しかし、あの日は違った。不穏な熱気が背中を這い上がり、いつもの壁の匂いが焦げ臭い黒煙に塗りつぶされたんだ。誰かが僕を力任せに押した時の、あの指の震えを僕は一生忘れない。「火事だ!」という叫び声とともに、僕のスイッチがカチリと入り、校舎中にけたたましいサイレンが鳴り響く。僕の仕事はそこで終わりだ。あとは大人の都合で取り付けられたただの赤いプラスチック。窓の外で、生徒たちが水着姿でひさしにへばりついているのが見えた。僕がもう少し早く、音楽室の異変を察知できていれば、彼らもこんな恐ろしい思いをせずに済んだのだろうか。骨折したという彼らの悲鳴を聞きながら、焦げ始めた壁の上で僕はただ、無機質に赤く光り続けていた。