【ニュース要約】
天皇皇后両陛下はオランダを公式訪問し、小児がんセンターを視察されました。両陛下は入院中の子どもたちやその家族と交流し、特に日本人女児の家族に対しては「異国の地で大変でしょう」と気遣いのお言葉をかけられました。この訪問にはオランダ国王夫妻も同行し、温かな雰囲気の中で交流が行われました。
【お気持ち】
私はここの小児がんセンターの病室の窓際に置かれた、色あせた造花です。本物の花は水替えが大変だからと、数年前に誰かがここに置いていきました。昨日、この部屋がいつもと違う緊張感に包まれたのは、高貴な方々がいらっしゃったからです。お二人が入ってくると、部屋の空気さえも少し柔らかくなった気がしました。ご家族にかけられた言葉を、私はすぐ近くで聞いていました。ただの一輪の造花に過ぎない私ですが、その瞬間のご家族の瞳に浮かんだ熱いものを、私はじっと見つめていました。この部屋には毎日、いろいろな不安や希望が持ち込まれます。でも今日は、少しだけ「異国の地」の風が優しく吹き抜けたように思えました。お二人が立ち去ったあと、窓の外にはオランダの空が広がっています。私は枯れることもなく、明日もここで、子どもたちの静かな回復を誰よりも近くで見守り続けることでしょう。人間たちの世界は大変そうですが、花びら一枚分くらいの優しさは、案外どこにでもあるものですね。
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