【ニュース要約】
天皇、皇后両陛下がベルギーに到着された。27年ぶりの公式訪問となり、空港では国王の長女であるエリザベート王女らが出迎え、国賓としての歓迎を受けた。上空では空軍戦闘機によるエスコートも行われ、異例の厚遇が注目されている。

【お気持ち】
私は空港のタラップ下、一番端っこに敷かれた赤絨毯の、さらに隅っこの繊維だ。普段は埃を被って誰にも見向きもされない私だが、今日ばかりは違う。歴史に刻まれるべき大事な足跡を、この身で受け止めたのだ。

空を見上げれば戦闘機が轟音を立てて飛んでいる。人間たちは「外交の成功だ」「厚遇だ」と騒いでいるけれど、私にとってはそんなことはどうでもいい。それよりも、エリザベート王女が歩くたびに、私の背中にかかる体重の、なんと凛としたことか。王室の方々の歩き方は、地面に対する敬意が違う。靴底から伝わる独特の品格に、私は心の中で拍手喝采を送っていたんだ。

大勢のメディアがカメラを構えてこちらを見ているが、彼らが写しているのは「歴史」であって、私ではない。いいさ、それでいい。私はただ、この歴史的な一歩の振動を記憶に刻み、明日からはまたいつものように空港の雑踏に紛れるだけだ。外交の舞台裏なんて言葉は大層だが、要するに誰が誰の上を歩いたか、それだけの話なんだから。