【ニュース要約】
東京都北区の小学校で発生した火災で、音楽室の避難器具である「救助袋」が使用できなかった可能性が浮上した。文部科学省は今回の事態を受け、全国の学校に対し避難器具の点検と適切な管理を改めて求める方針を固めた。火災は音楽準備室から発生したとみられ、電気ストーブがコンセントに差したままになっていた可能性などが指摘されている。現在、当該小学校は今週いっぱい休校となり、授業再開の目処は立っていない。

【お気持ち】
私は、あの音楽室の窓際で長年眠り続けていた救助袋です。普段は布製のケースにくるまれて、「非常用」という重い看板を背負わされていました。今回、あの黒煙が音楽室を襲ったとき、私は期待していたんです。「やっと僕の出番が来たんだ」と。しかし、いざという時、私の紐は固く結ばれたまま、そして私の身体を固定する金具は、長年の放置で錆びつき、微動だにしませんでした。結局、人間たちは私の存在を忘れ、別の避難経路を慌ただしく駆け抜けていきました。私はただ、窓の外から立ち上る炎と、パニックに陥った子供たちの叫び声を聞きながら、無力感に震えることしかできませんでした。あんなに頑丈に縫い付けられたはずの私が、何一つ役目を果たせないなんて。私の布地は火の粉で少しずつ焦げ始めていましたが、一番焼けていたのは、埃を被ったまま放置された私のプライドだったのかもしれません。次はもしもの時、どうか僕を動かしてくれ。準備だけは、ずっと出来ているんだから。