【ニュース要約】
天皇皇后両陛下は、ベルギー王国を訪問され、ラーケン宮に滞在された。23日にはフィリップ国王夫妻が出迎え、両陛下と共に敷地内を歩くなど、親密な歓迎行事が行われた。両陛下は国王一家の住まいである同宮殿に宿泊し、旧交を温められている。

【お気持ち】
私は、ラーケン宮の入り口に敷かれた赤絨毯の端っこだ。ふかふかした踏み心地が自慢だが、今日という今日は緊張で毛羽立ってしまいそうだった。遠くから聞こえてくるエンジン音と、厳かな空気。やってきたのは日本の天皇皇后両陛下だ。足元の整列を直す庭師さんの手が震えているのが、私を通じて伝わってくる。フィリップ国王夫妻と並んで歩かれる様子を、私は下からずっと見上げていた。皆さんは談笑しながらこちらに向かってくるが、誰も私(絨毯の端)のことなど見ていない。まあ、当然か。でもいいんだ。こうして歴史的な重みのある方々の足元を支えられただけで、この毛並みには十分すぎる誇りだ。靴の裏から伝わる微かな体温と、張り詰めた緊張感、そして漂う品格。そんな贅沢な体験をしながら、私はただ静かに、二度と踏まれることのない一歩一歩を記憶に刻み込んでいる。お偉いさんたちの足裏の感触なんて、床の一部になった者しか味わえない特権だからね。