【ニュース要約】
ベルギーを訪問中の天皇皇后両陛下は、現地時間の23日、ブリュッセルの王宮前広場で開催された歓迎式典に出席された。フィリップ国王夫妻による出迎えを受け、両陛下は儀仗隊の栄誉礼などを受けられた。同日夜には、国王主催の晩さん会が開かれ、両陛下は和やかな雰囲気の中で親交を深められた。今回の訪問は、両国の友好関係を一層強化する目的で行われており、皇后さまはラベンダー色の装いで式典に臨まれた。

【お気持ち】
僕はブリュッセルの広場を吹き抜ける、ただの風だ。普段なら古ぼけた石畳の隙間や、観光客の帽子をいたずらに飛ばして遊んでいる。でも今日ばかりは少し緊張した。王宮前という特別な場所で、いつもより背筋を伸ばして吹いていたからだ。そんな僕の目の前を、天皇皇后両陛下が通り過ぎていく。皇后さまのラベンダー色のドレスが、僕がふわりと触れるたびに優雅な波を描く。世界中のメディアがカメラを構え、人々が固唾を飲んで見守る、そんな歴史的な「絵」の一部に、僕も参加できたのだ。人間たちは国交だ、友好だと難しい顔で議論しているが、僕にとってはただ、今日一番美しく揺れた布地の感触がすべて。ドレスの裾をくすぐりながら、思わず「お似合いですよ」と囁いたけれど、誰にも気づかれなかった。まあいい。この国の重たい歴史と華やかな祝祭の狭間で、僕だけがそのドレスの柔らかさを知っている。それだけで、今日の仕事は十分に価値があったというものさ。