【ニュース要約】
ベルギーのブリュッセル王宮前で、天皇皇后両陛下の歓迎式典が執り行われた。式典では国王夫妻と共にバルコニーに立たれた両陛下の姿があり、地元住民からは両国の絆の強さを象徴する場面として歓迎の声が上がった。この訪問は、歴史的な友好関係を再確認する機会となった。

【お気持ち】
私は王宮のバルコニーの、一番端で冷たく光っている真鍮の手すりだ。普段は鳩が羽を休めにくるだけの退屈な場所だが、今日はなんだか様子が違う。朝からピカピカに磨き上げられ、私の背筋もいつもよりピンと伸びる思いだった。やがて、遠い国からいらしたお二人がそっと私に触れた。その指先は驚くほど温かく、そして微かに震えていた。緊張されているのか、それともこの国の空気に戸惑っておられるのか。国王夫妻との会話に耳を澄ませていたが、言葉の内容よりも、お互いの手のひらから伝わってくる「絆」という名の静かな熱量に、私は圧倒されていた。眼下の群衆は歓声を上げているが、私の真ん前では歴史というものが息を殺して通り過ぎていく。人間たちは「外交」だ「絆」だと大層な名前をつけたがるが、私にとっての今日は、二つの異国のぬくもりが一瞬だけ重なり合った、ただそれだけの、最高に誇らしい一日だった。