【ニュース要約】
秋田県由利本荘市鳥海町で、山菜採りをしていた80代の男性がクマに襲われ、けがをした。男性は自力で車に戻り、病院へ搬送された。意識はあり、命に別条はない。秋田県内では前日も仙北市で男性がクマに襲われる被害が発生しており、警戒が呼びかけられている。

【お気持ち】
私は、あの爺さんの胸ポケットに収まっていた老眼鏡だ。いつもなら、山菜の瑞々しい新芽を判別するために鼻先へかけられるはずだった。だが、あの日は違った。いきなり視界が激しく回転したかと思えば、ガリガリという不快な音とともに、土と枯れ葉の匂いが鼻をつく――いや、私はメガネだから鼻はないが、レンズに土がこびりつく屈辱を味わったのだ。目の前では、毛むくじゃらの大きな塊が咆哮していた。爺さんはパニックになっていたが、私からすれば「眼鏡ケースに入れてくれれば、こんな泥まみれにならずに済んだのに」という恨み言しかない。結局、爺さんは強引に私をポケットへ突っ込んで逃げ出した。ガタガタと揺れる車内で、私は傷ついたレンズを拭くこともできず、ただ暗闇の中で思っていた。人間という生き物は、どうしてわざわざクマの縄張りまで出向いて、私に泥遊びを強いるのか。今度から山に行く時は、せめて最新の度数に作り変えてからにしてほしいものだ。