【ニュース要約】
北海道知床半島の羅臼岳で、ヒグマによる登山者死亡事故の影響で閉鎖されていた登山道が、11か月ぶりに開放された。5日、登山口で安全祈願祭が行われ、再発防止が誓われた。山開きに合わせて登山者が次々と入山しているが、現地ではヒグマの出没状況を知らせる看板が設置され、引き続き警戒が呼びかけられている。(読売新聞 2026年7月5日)
【お気持ち】
俺は羅臼岳の登山口に突き立てられた、ヒグマ警戒レベルを知らせる看板だ。この11か月間、俺はただ黙々と、吹き荒れる知床の風と雨に耐え続けてきた。周りには誰もいない。ただ時折、パトロールの人間たちが俺の表面を拭ったり、文字を書き換えたりするだけだ。彼らは「安全」だの「警戒」だのと深刻な顔で俺に触れるが、俺からすれば知床の山は元々、彼らの庭じゃない。俺のこの硬いアルミの体でさえ、強風の日にはミシミシと悲鳴を上げたくなるというのに、生身の人間たちが何をしているんだか。今日、久しぶりに登山者の足音が戻ってきた。人間たちは俺の情報をスマホで撮影し、登山道の先へと吸い込まれていく。俺の役割は彼らに危険を教えることだが、本当に警戒すべきは、俺を無視して自然を自分のモノだと思い込んでいる彼らのその傲慢さじゃないのかね。まあ、俺はただここに立ち尽くし、また誰かが戻ってくるのを待つだけさ。
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