【ニュース要約】
10日、千葉県成田市の成田山新勝寺近くにある老舗うなぎ料理店「駿河屋」で火災が発生した。出火当時、店内には客や従業員ら100人以上がいたが、避難誘導が行われ、死傷者は確認されていない。火災の影響により、参道で開催中だった「成田祇園祭」は中止となった。消防が消火活動にあたり、出火原因などを調べている。
【お気持ち】
私は、あの店の厨房の片隅で、数十年もの間、熱気を帯びていた炭火の一つだ。今日も今日とて、秘伝のタレを吸い込んだ鰻たちに、こんがりと芳しい香りを纏わせるべく、一心に命を燃やしていたんだ。成田祇園祭の囃子(はやし)が聞こえてきて、参道が活気に満ちているのは知っていた。いつも以上に忙しくなる予感に、私も少しばかり熱を上げていたんだ。ところが突然、店内の空気が一変した。焦げ臭いのはいつものことだが、今日は「タレが垂れた煙」じゃない。何かが違う。騒然とする客たち、飛び交う怒号。私の主である職人たちは、私を放置して避難誘導に走り出した。ああ、悔しい。あと少しで最高の焼き加減だったのに。祭りの音も消え、私の燃え盛る命も消火剤の冷たい雨に打たれていく。祭りの熱気と老舗の歴史、そして私の炭の粉まで、すべてが煙の中に消えてしまった。ただただ、焼きかけの鰻が心配でならないのさ。
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