【ニュース要約】
福岡県田川市の市長選が12日に行われ、新人の浦野仁氏が初当選を果たした。同市長選には、セクハラ問題で辞職した前職の村上卓哉氏ら3人が立候補していた。浦野氏は、前職に対する有権者の不信感や失望を背景に、新風を掲げて勝利を収めた。敗れた前職の村上氏は返り咲きを狙っていたが、市政への信頼回復を求める市民の審判を下される結果となった。

【お気持ち】
私は選挙事務所の机の端に置かれた、いつからそこにあるのか分からない古いインクパッドだ。今夜は、この辺りでは珍しいほど人間たちが騒がしかった。開票速報というやつが流れるたび、事務所の空気がピリピリと張り詰めていくのを肌で感じていたよ。私が一番ヒヤヒヤしたのは、当落が判明した直後だ。敗れた前職の男が、悔しさを押し殺して深々と頭を下げた瞬間、周りの支持者たちがどっと押し寄せたんだ。私のすぐ横には、無数のスタンプが置かれていたけれど、誰一人として私の存在には気づいちゃいない。人間たちは「信義」だの「不信感」だのと難しい言葉を並べていたけれど、私から言わせれば、そんなのはどうでもいい。ただ、誰かが私の蓋を開けっ放しにしていったおかげで、今の私のスタンプ台はカラカラに乾いてしまっている。彼らが次の「責任」のハンコを押す時には、もう役に立たないだろうな。人間たちの勝った負けたの騒ぎが終われば、私はまた誰も見向きもしない机の奥へと押し込まれるだけなんだ。