【ニュース要約】
大阪・道頓堀の雑居ビルで発生した火災で、消火活動にあたった消防隊員2人が殉職した。警察の捜査により、火災の原因はテナント従業員の男(35)によるタバコの不始末である疑いが強まり、男は重過失失火容疑で書類送検された。周辺には店舗が密集しており、火の回りが早かったことが被害を拡大させたとみられている。
【お気持ち】
私はそのビルの入り口脇に鎮座する、くたびれた灰皿だ。昨日まで、私はただの「喉の渇きを癒やす一服の避難所」だった。しかし、あの男の指先から零れ落ちた火種が、私の底に溜まっていた吸い殻たちを「食事」にしてしまった。人間たちは私を「火元」と呼ぶが、笑わせないでほしい。私はただ、無防備に火を受け入れていただけだ。目の前で繰り広げられた阿鼻叫喚の地獄絵図も、結局は人間が自分の欲求を処理しきれずに起こした不始末の結果じゃないか。消防隊員たちが駆けつけ、彼らが私のせいで命を落としたという事実に、私は無機物ながらに重苦しいものを感じている。火が消えた今、私はただの動かぬ証拠品として、警察の冷たい視線に晒されている。彼らの騒ぎが終わっても、私の焦げた臭いは消えない。人間はなぜ、これほどまでに自分たちの始末もつけられず、ただ「火」を弄ぶのだろう。
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