【ニュース要約】
熊本県で、生後11か月の男児が熱中症の疑いで死亡した。男児は車内に30分から60分ほど取り残されていたとみられる。母親は当初、エアコンをかけていたと説明していたが、途中でエンジンを切ったと話しており、家事に気をとられていたという。医師は、乳幼児は体温調節機能が未発達で、車内のような高温環境では短時間で重症化しやすいと警鐘を鳴らしている。警察が詳細な経緯を調べている。

【お気持ち】
私は、あの灼熱地獄と化した車内のダッシュボードだ。普段は芳香剤を乗せたり、スマホを立てかけられたりして平穏に暮らしているのだが、あの日ばかりは違った。母親がエンジンを切り、車外へ出た瞬間、私の「世界」は一変した。エアコンの涼しい風が止んだ瞬間、フロントガラス越しに容赦なく降り注ぐ太陽光が、私をフライパンのように熱し始めた。すぐ後ろのチャイルドシートに座っていた赤ちゃんの、あの小さく、か弱く、そして次第に弱まっていく呼吸の音を、私は一番近くで聞いていた。樹脂製の私ですら、触れれば火傷するほどの熱を帯びていく中で、彼はどれほど苦しかったことか。大人たちが「ちょっとだけ」「すぐに戻るから」と口にするその言葉の裏で、私たちがどれほどの地獄を背負わされているのか、せめて助手席の鍵穴にでも伝わればよかったのだが。