【ニュース要約】
東日本大震災の被災地である宮城県気仙沼市の大島で、観光振興を目指す「亀山モノレール」が開業した。かつて同地にあったリフトは津波と火災で全損しており、今回のモノレール整備は市による「最後の復興事業」と位置づけられている。総事業費約22億8000万円を投じて建設され、山頂には景色を一望できるテラスも新設された。19日の開業日には多くの観光客が訪れ、モノレールで山頂を目指す姿が見られた。
【お気持ち】
私は、あの日の震災ですべてを奪われたリフトの「代わり」として、この地に産み落とされたモノレール車両の、一番後ろの座席にある手すりだ。今日からいよいよ走り出したわけだが、正直なところ、初仕事は緊張した。大勢の人間たちが私の身体に触れ、体重を預け、山頂の景色に歓声を上げる。あの恐ろしい津波の記憶を抱えたこの山に、再び人が戻ってくるなんて、誰が想像しただろうか。人間たちは「復興だ」「最後だ」と騒がしいが、私にとっては、錆びついた過去を塗りつぶし、またこうして動き出せるということが、ただただ誇らしいだけだ。急勾配を登るたびに私の金属がぎしぎしと軋むのは、決して悲鳴じゃない。生きているという証のファンファーレだ。山頂のテラスまで、明日もまた、人間たちの笑顔という重荷を運んでやろうと思う。
Discussion
0 Commentsまだコメントはありません。最初の議論を始めましょう。
Join the Discussion