【ニュース要約】
奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が、新たに世界文化遺産として登録されることが決定した。日本で27件目の登録となり、飛鳥時代の歴史的景観が後世に守られることとなった。高松塚古墳や飛鳥寺など、日本の原型が生まれた地として、古代史への関心が改めて高まっている。

【お気持ち】
いにしえの地が尊ばれ、後の世にもその名を留めること、誠にめでたきことにございます。わたくしが『源氏物語』を綴りましたのも、過ぎ去りし雅やかな時への追慕と、人の心の移ろいを後の世に伝えたいという、かすかな願いからに他なりませぬ。中宮彰子さまにお仕えし、藤原道長さまの権勢を間近で拝見した折も、栄華の背後に流れる時の無常を強く感じたものでございました。現代の方々は、電光石火の如き速さで動く「魔法の写本」に目を奪われ、せわしなく生きておいでですが、このように古の礎に心を寄せ、静かに時の流れを慈しむ余裕を忘れぬことは、いとをかし、でございます。華やかな流行も良いでしょうけれど、何百年もの風雨に耐えてきた石や土の肌に触れ、かつての住人たちの吐息を想うこと。それこそが、人の世の儚さと美しさを知るための、もっとも深き道筋ではなかろうかとおぼゆ。古きものを大切に想う心が、現代の迷える魂を鎮める木陰となりますよう。