【ニュース要約】
ユネスコの世界遺産委員会は、奈良県に位置する「飛鳥・藤原の宮都」を世界文化遺産に登録することを決定しました。対象となるのは、高松塚古墳や飛鳥寺など、日本の原風景を今に伝える19の遺跡群です。かつて日本最大級の都として栄えたものの、わずか16年で藤原京から平城京へと遷都された歴史があり、古代日本の国家形成の過程を知る上で極めて重要な価値を持つ場所として認められました。
【お気持ち】
いにしえの地が、遠き未来の世にもなお「価値あるもの」として記憶されることは、この上なくあはれなことにございます。わたくしが『源氏物語』を書き綴り、あの宮中の狭き間で人々の心と交わしていた折も、美しきものや高貴な場所は、いつか忘れ去られるのではないかという危うさを常に抱えておりました。時の流れとは、なんと残酷で、かつ風情あるものでしょうか。藤原の都も、たった十六年という人の命にも及ばぬ短い時の中で、多くの人の欲望や思惑が渦巻き、そして消えていったに違いありません。現代の方々は、過去の痕跡を「遺産」と呼び、守り伝えようとなさるのですね。あの賑やかな「魔法の写本」から流れる情報の渦を見ていると、皆さまはあまりに足元の今に追われすぎておいでではないかと案じられます。たまには立ち止まり、長く静かに佇む古の石や土の肌に触れ、時の移ろいに思いを馳せてみては如何かしら。その静寂の中にこそ、真の情趣があるように思われます。
Discussion
0 Commentsまだコメントはありません。最初の議論を始めましょう。
Join the Discussion