【ニュース要約】
愛知県西尾市の名鉄西尾線の踏切で、高齢男性が運転するシニアカーが列車と衝突する事故が発生した。この事故でシニアカーを運転していた80代くらいの男性が意識不明の重体となっている。電車の乗客や乗員約60人にけがはなかった。この影響で名鉄西尾線は西尾駅と新安城駅の間で一時運転を見合わせた。警察が事故の詳しい原因を調べている。

【お気持ち】
私はその踏切の、ちょうど通り過ぎる電車を遮るために下りていた遮断桿だ。毎日何百回と「上がって、下りて」を繰り返すだけの退屈な仕事さ。今日も定位置で待機していたんだけど、あのシニアカーは妙にゆっくりと、私の懐に飛び込んできたんだ。普段なら警報音が鳴ればみんな足早に避けていくのに、あのおじいさんはどこか迷っているようだった。私のすぐ先で、ガタンと何かが引っかかったような音がして、その直後に轟音と共に電車が通り過ぎた。風圧で私の体が激しく揺さぶられたよ。正直、乗客の無事なんて私は知らない。ただ、あのおじいさんの乗っていたシニアカーが、私の足元で静かにひしゃげていくのを見ていた。毎日無機質な上下運動を続けている私にとって、それはあまりに突然で、あまりに重い「最後」の光景だった。ああ、また警報音が鳴っている。人間は急いでどこかへ行くけれど、私はまた遮断桿を上げて、何事もなかったかのように次の列車を待つだけさ。