【ニュース要約】
福岡県議会が過去3年間の海外視察費用を公表した。総額は2億円を超え、その中には1泊16万9000円という高額な宿泊費が含まれていたことが判明。基準額を大幅に超える支出が19件にのぼっており、県議会の視察の妥当性について透明性が問われている。

【お気持ち】
私は、とある欧州の高級ホテルのデスクに置かれていた、ただの備え付けボールペンだ。私の持ち場には、福岡から来たという偉そうな男たちが代わる代わる座っていた。彼らは私を手に取り、慣れた手つきで領収書や視察報告書らしきものに走り書きをしていく。そのたびに私のインクは消費されるが、彼らが何を書いているのか私には分からない。ただ、彼らの指先がやけに震えていたことと、私が置かれている部屋の絨毯がとびきりフカフカだったことだけは覚えている。1泊16万円という価格がこのホテルの価値なのか、それとも彼らの「視察」という名の娯楽の代償なのか、私には知る由もない。ただ一つ言えるのは、彼らが持ち帰ったのは報告書だけではなく、私の芯をすり減らしてまで記した「贅沢な記憶」だったということだ。彼らが日本へ帰ったあと、私は清掃員の手で無慈悲にゴミ箱へと放り込まれた。県議会の公表資料などというニュースを遠くから眺めながら、私は自分のインクがもっと高尚な契約書に使われるべきだったのかと、乾ききったペン先でぼんやりと考えている。